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2014年 03月 30日

2014年3月下旬 春のルーミス①

蝶好きにとって、春早々のモンキチョウやモンシロチョウは、家の近所でのオープン戦という感じ。ちょっとした遠出も含めて、本格的な開幕戦は通常ギフチョウだろう。私の場合、ここ数年、開幕戦には房総の山中を選択しているので、3月23日の日曜日、今シーズンも越冬明けのルーミスシジミを探しに房総の山中へ。
いつもの谷に着いてみると、谷の斜面が大崩落。clossianaさんの記事、で知ってはいたが、この眼で見てみるとやはり凄いことになっていた。
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100m以上に渡って谷の片側斜面が表土ごと崩れていた。過去何度かアセビの花での吸蜜を撮影したポイント、ヒサカキの花での吸蜜や一冬越した個体の識別が出来た日光浴ポイントなど全て土砂と倒木の下敷きになっていた。2月の大雪で将棋倒しのように崩落したのではないかと思われ、他にもルーミスシジミの集団越冬を初めて観察したご神木も含め、多数のカシ類が根こそぎ倒壊していた。

崩壊地の手前にわずかにアセビの花が残っていたので、アセビにやってくるルーミスシジミを待つが、結局飛んでいる姿を見ることも無かった。別の場所にヒサカキを見に行くが、こちらも姿が無い。やっぱり2月の大雪で大ダメージを周囲のアラカシの葉を見て回ると、葉上に静止する2頭のルーミスシジミを見つけた。
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ルーミスシジミ 2頭集団 RICOH GR DIGITALⅢ(インターバル撮影)
直射日光が当たっても、縦に上を向いて触角を前方にピント伸ばして揃え、後翅にも折れ筋のような一本の筋、どちらも典型的な越冬姿勢なので、まだ休眠モードと判断、変に刺激しないように観察していた。
この日は風も強く、時折大きく越冬している葉も煽られ周囲の葉にぶつかったりしても2頭はしっかり葉上に静止していた。やっぱり完全な休眠モードだなと思っていたら一陣の突風が直撃、葉が完全に裏返った上に他の葉ともみくちゃになったと思ったら、葉上には1頭だけになっていた。葉上のルーミスが突風で飛ばされるシーンは初めて目撃した。

しばらく様子を見ていると、1頭のルーミスシジミがひらりと舞い降りた。
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ルーミスシジミ 裏面 CANON EOS 40D EF100mm F2.8L マクロ IS USM
後翅裏面の折れ筋がくっきり、先ほど飛ばされた個体ではないかと思う。その後翅を開き始めるが、何かぎこちない開き方に感じた。
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ルーミスシジミ 開翅 CANON EOS 40D EF100mm F2.8L マクロ IS USM
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ルーミスシジミ 開翅 RICOH GR DIGITALⅢ
その後、この個体がヒサカキの花で吸蜜するか、元の塒に戻るかを期待したのだが、再度突風に煽られ行方不明になった。
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コツバメ 吸蜜 CANON EOS 40D EF100mm F2.8L マクロ IS USM(外部ストロボ)
他の蝶も、コツバメが1頭だけアセビの花に吸蜜に来たくらいでほとんど見なかったので、今年はまだ多くのルーミスシジミは越冬モードが明けていないのではないかと思う。
葉に残った個体も頭を上に向けた越冬姿勢になっていたので、3連休最終日だし早めに帰ることにした。
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ルーミスシジミ 単独 RICOH GR DIGITALⅢ(インターバル撮影、内蔵ストロボ)

まだ、越冬モードと判断したので、翌週の土曜日も懲りずに出かけてしまったが、そちらはまた次回に。

by toshi-sanT | 2014-03-30 12:11 |


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