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2006年 11月 18日

2006年11月中旬 八ヶ岳のミヤマシロチョウ調査

日本チョウ類保全協会主催のミヤマシロチョウ越冬巣調査のお手伝いに行ってきた。
久しぶりに早起きして中央道を八ヶ岳に向かう。朝食を摂るため、途中のPAに寄ると、甲斐駒が朝日に輝いていたが、寒い。
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甲斐駒
最寄のICで集合、調査方法についての打ち合わせの後、調査地へ向かう。今回の参加者は私も含め6名、2名づつの3グループに分かれて、食樹および越冬巣の調査を行うことになった。
調査地へ着くころには、日も差し、心配したほど寒くは無かった。食樹のヒロハノヘビノボラズを探し、胸高直径、樹高などを記録しGPSで位置を特定していくと同時に、越冬巣の個数も記録していく。
葉がほとんど落葉しているため、見通しは良く、食樹は次々と見つかる。だが、その割には越冬巣の数は少ない。ついていても一つであり、一本の木で複数の越冬巣が見つかることはほとんど無い。
葉が落ちているので明るく感じるが、落葉松や他の潅木が繁茂し、半分以上が被覆されている食樹がほとんどのようだった。
〔八ヶ岳ミヤマシロチョウ越冬巣の様子〕
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大きな巣は、どうも越冬巣ではなく、今年の成虫が形成した古い巣で、越冬巣は思っていたより小さいものが多く、数も想像していたより少ない。また、環境も思っていたより暗く、吸蜜植物も少ないと想像された。
卵塊で産卵する種類では、一回の産卵で♀が消費するエネルギーは膨大であり、食樹周辺に十分な吸蜜源がないと、「エネルギー補給が十分に行われない=1卵塊の産卵数の減少」、「メスの移動距離が長くなる=天敵等による被捕食確率の上昇」、などにより産卵密度が減ると考えられる。
したがって、落葉松の成長、潅木の繁茂などで環境が暗くなり、吸蜜植物が減少したことが、食樹が多いにも関わらずミヤマシロチョウが数を減らした最大の理由ではないかと思われた。(以上、事務局Nさんの仮説の100%受け売りです)

今後も日本チョウ類保全協会では、八ヶ岳のミヤマシロチョウの生息状況について継続的に調査を行い、保全への具体的な提言を行っていく予定とのことです。皆様のご協力、ご支援をいただければ幸いです。 ⇒日本チョウ類保全協会HP

最後になりましたが、寒い中参加された会員の皆様、お疲れ様でした。また、事務局Nさん、調査の準備をはじめ、ありがとうございました。

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ミヤマシロチョウ 2006年7月22日 八ヶ岳
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by toshi-sanT | 2006-11-18 23:36 | | Trackback(2) | Comments(16)
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Commented by chochoensis at 2006-11-19 06:43 x
theclaさん、「ミヤマシロチョウ」保全調査活動、お疲れ様でした。寒い中を地道な調査活動が行われた事に感謝いたします。甲斐駒ケ岳の姿が美しいですね・・・麓の紅葉も素晴らしいし絵葉書の写真のようです。
来年も元気な「ミヤマシロチョウ」の飛翔が観察できますように・・・。
Commented by fanseab at 2006-11-19 11:12 x
調査活動、お疲れ様です。越冬巣、こうして写真に撮ると目立ちますが、探索は結構大変なのでしょうね。針葉樹伐採とか具体的な保全策に結びつくといいですね。chochoensisさんもコメントされている通り、韮崎あたりから見る甲斐駒は小生もお気に入りの眺望です。
Commented by banyan10 at 2006-11-19 13:06
調査活動お疲れ様でした。
大変だとは思いますが、オフシーズンの調査活動は協力しやすいかもしれないですね。
八ヶ岳周辺は何度か行っているので、吸蜜源が少ないというのは意外でした。今後の対策で復活して集団吸水などが普通に見れるようになると嬉しいですね。
東御市の生息環境はいろいろな面で理想的なのが分かりますね。
Commented by thecla at 2006-11-19 14:13 x
chochoensisさん、コメントありがとうございます。
寒いといっても日中日が差している間は、結構暖かく、ちょうど良い秋の山歩きといった感じでした。
八ヶ岳でオスの集団吸水が普通に見られるようになればいいなと思っています。
Commented by thecla at 2006-11-19 14:19 x
fanseabさん、コメントありがとうございます。
今回は、今後定量的に把握できるようにするための基礎調査ですので、越冬巣だけでなく、食樹の状況把握が重要でした。
もちろん、小生がお手伝いしたのは、そのまた一部で今冬中にもっと詳細な調査が行われることになっています。
韮崎近辺からの甲斐駒、お好きな方が多いようですね。
Commented by thecla at 2006-11-19 14:26 x
banyanさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、オフシーズンだったからこそ協力できたという面はありますね(^^;
Nさんの受け売りですが、ヒョウモンモドキなどもそうですが、卵塊で産む蝶にとっては、寄主植物と吸蜜源との距離関係が重要で、すぐ近くに適切な吸蜜源がなく、♀の移動距離が長いと弊害が多くなるようです。
例えば、産卵数などにも影響が出る可能性があるので、東御市との比較など多角的に調査・分析を行う予定もあるそうです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2006-11-19 18:29
ホオー、保全・保護のための調査活動もされておられるとは知りませんでした。いつまでも素敵な成虫が見られるように頑張ってくださいませ。平日に香港に出張なされたとは知りませんでした。大成果おめでとうございますぅ。
Commented by thecla at 2006-11-19 20:05 x
ノゾピーさん、コメントありがとうございます。
いえいえ、調査活動というほどのものではございません、ちょっとお手伝いというレベルですよお~(^^)
香港は土曜日の午前中だけの撮影だったのですが、さすが南国、思った以上に多くの蝶に出会えました。
Commented by kenken at 2006-11-19 20:26 x
ミヤマシロの保全活動、お疲れさまでした。
小生も自分でできる範囲のことは微力ながらお手伝いしたりしています。来シーズンも可憐なミヤマシロが飛翔する姿が見れますように・・・って、私も1度、行ってみなくては。
Commented by thecla at 2006-11-19 23:42 x
kenkenさん、コメントありがとうございます。
貴兄を見習い、小生も出来る範囲でちょっとずつお手伝いを始めました。
是非一度お訪ねください。そして、オスの吸水集団が復活したら、みんなで撮影会をやりましょう。
Commented by nomusan at 2006-11-20 00:04 x
おお、甲斐駒素晴らしいです。まさに息を呑む美しさですね~・・・。調査活動、ご苦労様です。お疲れさまでした。
遠い昔、ヒメギフ狙いで初めて信州に行ったとき、この蝶の越冬巣を探した記憶がありますが、その後野外で初めて成虫を見たときはその美しさに感動したものでした。いつかまた見に行きたいものです・・・・。
Commented by thecla at 2006-11-20 22:46 x
nomusanさん、コメントありがとうございます。
甲斐駒は、一度は韮崎側から登ってみなくてはと思っていたのですが、結局登る機会はありませんでした。もはやそんな気力&体力はないし(^^;
ミヤマシロ是非見に来てくださいね。ただ、想像以上に巣の数が少なくちょっとショックを受けています。食樹調査を兼ねてなので巣を探すのが必ずしもメインではありませんでしたが。
Commented by maeda at 2006-11-22 07:33 x
巣が少ないのは気がかりですね。
でもどうなんでしょうか、成虫はよく見るのに越冬巣は何処にもないということがエゾシロではよくあるんです。
同じような感じかもしれません。
Commented by ダンダラ at 2006-11-22 14:51 x
八ヶ岳のミヤマシロ調査、ご苦労様です。
昔歩いた時には吸水集団が時々見られましたが、それでも越冬巣は多くはなかったように思います。
数が減ってしまった今はなおさら少ないのでしょうね。
吸蜜源が重要と言うのは、ヒョウモンモドキの保護活動のパンフレットなどを拝見すると良く書いてありますが、ミヤマシロの場合もそうなんですね。
Commented by thecla at 2006-11-22 22:56 x
maedaさん、こんばんは
エゾシロでは成虫の個体数の割りに巣が少ないことがるのですか。
食樹調査も兼ねていたため、調査地に偏りがあるのでなんとも言えませんが、想像していたよりも少なかったのでちょっと気になっています。
今後、協会で継続的かつ定量的に把握していくための第一回なのでデータの蓄積を待ちたいと思います。
Commented by thecla at 2006-11-22 23:07 x
ダンダラさん、ありがとうございます。
今回、気になったのは、巣の大きさが小さかったことです。今年も東御市に9月に行きましたが、そのときと比べても小さい=雌の産卵数が少ないということでした。
↑の青空を背景にした広角は絵的におもしろかったので使っていますが、前年のものの可能性が高いです。
事務局Nさんの話では、卵塊を作る種類では、吸蜜源が重要なのは共通しているそうです。
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