今年の年初に「久しぶりに北アルプスに登ってタカネヒカゲなどの高山蝶を撮影する」という目標を立てた。さらに、『1年のうちに本州に生息する高山蝶9種全部を観察・撮影しよう』という大それたことも考えていた。
タカネヒカゲを除いて難易度が高いのはクモマツマキチョウと生息地が限定されているタカネキマダラセセリだろう。今年はクモツキはメスだけだったけれど撮影できた。ネキもタカネヒカゲの副産物で撮影できた。となるといよいよ馬鹿げた目標も現実味を帯びてきた。
残る高山蝶の中で発生時期が限定されるのはクモマベニヒカゲになるので早めに押さえておかなくてはならない。
また、コヒオドシも上高地で観察・撮影したもののブログに載せられるような写真は撮れていないので、出来ればこれも撮り直したい。
ということで、この週末も山に出かけた。場所は確実にクモマベニヒカゲを撮影するために八ヶ岳にした。
クモマベニヒカゲのポイント目指して林道と山道を登る。今年は暑さのためなのか、道沿いの花が随分と少ないように感じる。そのせいか、途中特段に撮影意欲をそそられるものもなく、ひたすら高度を上げる。途中の登山道にもクモマベニヒカゲが飛んでくるが花が少ないためか中々止まらない。そこでまずは目的地まで行くことにして先を急ぐ。
ポイントに着くと思ったより花が少ないが、期待通りベニヒカゲとクモマベニヒカゲが入り混じって飛んでいる。その中から、まずはクモマベニヒカゲだけを選んで撮影した。
クモマベニヒカゲ 開翅 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro
よく考えたら、クモマベニヒカゲに会うのは3年ぶりだ。オレンジの紋と白い縁取りがやっぱり綺麗な蝶だなと思う。
クモマベニヒカゲ 吸蜜 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro
次に飛翔を狙うことにして1頭のクモマベニヒカゲを追いかけているとシラビソの枝の間に潜り込んだ。近づいて見るとシラビソの枝に止まった個体に求愛していた。
クモマベニヒカゲ 求愛行動 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro
クモマベニヒカゲ 求愛行動 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro
オスは翅を広げアピールするような行動をするのだが、もう一方は交尾拒否をするわけでもなく無反応で短時間でオスは飛び去ってしまった。
あまりにも淡白なのでひょっとして羽化直後のオスに対する誤求愛かもしれないと思った。良く確かめようと近づいたら枝を揺らしてしまい斜面下方へ大きく飛ばれてしまって十分確認できなかった。
また、だいぶ余裕が出来たので、今年凝っている高山蝶の背景に名山を入れる絵も撮ってみた。
クモマベニヒカゲ 吸蜜 RICHO Caplio Gx8
背景の山は横岳大同心の岩場。またこの稜線を歩いてみたい気もするが、今日は見上げるだけにしておく。
さあ、クモマベニヒカゲは撮影できたので次はベニヒカゲを追いかけることにしよう。
<続く>