山道が終わり、氷河から流れ出る渓谷沿いにツェルマットへ下る。途中ツムット(Zmutt)という小さな村があった。
ツムットの村
ツムットから見上げるマッターホルンは下半分が隠れ、山頂部分だけが人の顔のように見え、「ツムットの鼻」と呼ぶらしい。
ツムットの鼻
ツムットのレストランでビールを一本飲んだ後、ツェルマットへ向かって歩き出す。このコースは要所要所にレストランがあって、休憩にはちょうど良い。
牧草地を縫って気持ちの良いハイキングコースを下っていくと、樹林に囲まれ谷側斜面が明るく開けた場所に出た。アザミやマツムシソウの仲間も咲いていて、もしやと思って良く見ると、アポロが吸蜜に来ていた。
アポロウスバアゲハ 吸蜜 CANON EOS Kiss DX TAMRON 90mm Macro
吸蜜している花はCentaurea alpestrisといって花弁の先が3~4裂して伸びるちょっと変わった形をしている。蝶が止まったら映えそうだなと思っていた花なのでアポロとの組み合わせで撮影できたのは嬉しい。
どうもこの場所はアポロの吸蜜場所になっているようで、入れ替わり立ち代りやってくる。後ろには「ツムットの鼻」も見えているので角度によってはマッターホルンを入れることも出来そうだ。
アポロウスバアゲハ 吸蜜(中央のピークはマッターホルン) RICHO Caplio GX8
狙い通りにマッターホルンが入ったと思ったら、子供たちまで入っていた。個人的には、これが今回のベストショットかもしれない。
光の向きはマッターホルン側から差すのでアポロの翅が透けて天女の羽衣のような感じでとても綺麗だ。
アポロウスバアゲハ 吸蜜 RICHO Caplio GX8
花と光の回り具合はこっちの方が綺麗だが、絶好の位置に木が・・・、マッターホルンが隠れてしまった(涙)
アポロウスバアゲハ 吸蜜 CANON EOS Kiss DX TAMRON 90mm Macro
花はキキョウの仲間だろうか。ちょっと飛び古した個体だが、交尾嚢がはっきりと写っているのでこれはこれでいいだろう。
マーガレットに良く似た花に来ている個体もいた。
アポロウスバアゲハ 吸蜜 RICHO Caplio GX8
他の個体に比べて赤紋がオレンジがかっているような気がするが、羽化から時間が経つとこんな色になるのだろうか。
ある程度納得いく絵も撮れたし、時間も大分遅くなったので急いでゴンドラ乗り場まで下り、そこからは循環バスを使ってシャレーまで戻った。
今回一番のロングコースだったが、天候にも恵まれ蝶の姿も多く楽しめた。短期滞在ならばお勧めはこのコースかもしれない。