2008年 07月 23日
今年の夏休みは、北アルプスへ出かけた。子供達は学校やら塾の夏期講習があるので、久しぶりに北アルプスの稜線まで出てみることにした。 色々考えた末、上高地に行った後、以前登ったことのある常念へ回ることにして、天気予報をチェックすると日曜日が晴れ、月曜日は曇りの予報。上高地は曇りでも良いが、北アルプスの稜線で天候が悪化するとつらい。 そこで、ちょっと体力的にきついが、順番を逆にしていきなり常念に登ることにした。夜中1時に起きて車を走らせ、早朝5時に登山開始。前に来たときはテント持参で荷物が重かったため稜線まで8時間かかったが、今回は軽装のため足取りも軽く沢沿いの登山道を登っていく。 途中の登山道沿いの良さそうな草付ではタカネキマダラセセリがいるかもしれないと思いながら注意して歩くが、フウロ類の花もほとんど咲いておらず見つからない。あるポイントで少し粘ってみるが、太陽も陰ってしまっているので先に稜線に上がることにした。最後の登りがちょっときつくて、時間がかかったが、稜線に着いたのは9時少し過ぎ、テント持参時の半分の時間で着いた。 早速、ミヤマモンキチョウとタカネヒカゲが飛んでいるのが見える。天候は天気予報とは異なりうす曇りだが、日が差す時間もそこそこあるという状態。一方、穂高・槍連峰は、主稜線が雲に隠れてしまっている。槍ヶ岳をバックにした広角画像を密かに狙っていたのだが、これでは難しそうだ。 前回来たときはどピーカンで両種とも100mm Macroでは中々近寄らせてくれなかったので、今回はKiss DXに70-300mmを装備してきた。ところが、天候が曇り気味なのが幸いして登山道のすぐ脇で静止、吸蜜をしてくれるので90mm Macroでも十分に対応できた。 ![]() ミヤマモンキチョウ♀ 吸蜜 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro 中には随分と前翅の先が尖った、まるでヤマキチョウのような翅型のメスもいた。 ![]() ミヤマモンキチョウ♀ 吸蜜 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro メスは綺麗な個体が多い一方、オスはピンクの外縁が薄くなってしまった個体が多い。それでもまだ綺麗な個体も見られた。 ![]() ミヤマモンキチョウ♂ 吸蜜 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro 前に来た2001年は、7月末だったので擦れた個体が多かったが、一週早めた今回は時期的には良かったようだ。 ここでは、ミヤマダイコンソウで吸蜜する個体が多い。ミヤマダイコンソウは一株当たりの花の数が多いので、複数の花で吸蜜してくれるため、撮影しやすかった。前回はほとんど花期が終わりかけで一株当たりの花が少なかったことも撮影に苦労した原因かもしれない。 また、クロマメノキに執着するメスがいたので近づいてみると産卵をしていた。産卵時間が極めて短いので中々上手く撮れないが、何とか産卵らしいポーズが撮れた。 ![]() ミヤマモンキチョウ 産卵 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro また、産卵を繰り返しているメスを追跡していると1頭のオスが絡んできた。 ![]() ミヤマモンキチョウ 求愛・交尾拒否 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro ちょっとピンが甘く、シャッタースピードが遅いので止まりきっていないがオス・メスとも翅の表が写っているのでちょっとうれしい。 今回は吸蜜時間も長く、広角での撮影チャンスも多かった。 ![]() ミヤマモンキチョウ 吸蜜 CANON EOS Kiss DX SIGMA 17-70mm Macro 左手奥に槍の穂先が見えるはずだったのだが・・・・、残念ながら雲の中。 ![]() ミヤマモンキチョウ 吸蜜 CANON EOS Kiss DX SIGMA 17-70mm Macro ![]() ミヤマモンキチョウ 吸蜜 CANON EOS Kiss DX SIGMA 17-70mm Macro 大天井、常念岳方面は稜線が見えている。 ![]() ミヤマモンキチョウ 飛翔 CANON EOS Kiss DX SIGMA 17-70mm Macro ![]() ミヤマモンキチョウ 飛翔 CANON EOS Kiss DX SIGMA 17-70mm Macro 飛んでいる先は槍のはずだったのだけど・・・・・。 残念ながら、槍をバックにした広角画像は撮影できなかったけれど、その分ピーカンより様々な撮影チャンスが多かったので十分堪能できた。 ※次回は、タカネヒカゲの予定ですが、ちょっとすごいものが撮れてしまいました。 ■
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by toshi-sanT
| 2008-07-23 18:23
| 蝶
|
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Comments(22)
ミヤマモンキチョウの前翅先端が尖った個体写真・・・なんとも凄い写真ですね・・・どうしてこういう形になったんだろうか・・・まったく素晴らしい写真に唖然としています!どの写真も素晴らしいのですが求愛の写真も素敵ですね、両方の翅表が見えているなんて羨ましいです。
ネタもとを酒の肴に楽しい一時を過ごさせていただきました。こうしてアップされるとうらやましいほどのできではないですか。やはり背景はアルプスに限りますね・・・・ウーン楽に上がれるのはどこだろう・・・・・
それにしても近づいてますね・・・・被写体に・・・・
昨日は久しぶりにお会いできて嬉しかったです。
アルプスモンキの素晴らしい写真が並んでいますね。尖った翅端を持つメスは確かに面白いですね。貴重ですよ。 広角写真は目を見張りました。驚きました。 イメージどおりの素晴らしい写真で、こりゃ出色のできですね。こんな写真が撮影できれば、疲れも吹っ飛びますね。 ![]()
すごいっ!この蝶は、なんですか。。こんなに翅が尖ってるなんて・・・
やっぱり北アルプスですね。。最高のシチュエーションです。 タカネキ・・見てみたいです。でも、小生には、一番の難関でもあります(^^;)
素晴らしい成果ですね。
僕も今度の日、月の予定ですが、少し遅い感じですね。 4時間の登り、頑張らないと。(笑) それにしても翅の尖った個体は不思議ですね。 ![]()
chochoensisさん、ありがとうございます。
この個体、ここまで尖って見えるのは風と翅の柔らかいせいもあるので割り引かないといけないかもしれませんが、他の写真でもあきらかに先端が尖り気味でした。 本当にどうしてなんでしょうね。 ![]()
kmkurobeさん、ありがとうございます。本当に楽しい一時でしたね。
これで槍が写っていれば最高だったのですが、それだとこんなに近づけなかったかもしれないし・・・・。 この日は、登山道脇で長時間いるケースが多かったので本当に楽ちんで近づけました(^^; ![]()
虫林さん、ありがとうございます。
私のほうこそ短時間ですが久しぶりに会話できた楽しかったです。もっと長時間ご一緒できればよかったのですが、色々あって(爆) 広角はチャンスに恵まれイメージ通りに撮れました、雲に隠れている以外は。確かに一瞬疲れが吹っ飛びましたが、最後はぼろぼろになってしまいました。 ![]()
ヘムレンさん、コメントありがとうございます。
↑にもコメントしましたけど、ここまで尖っているのは若干写真のマジックかもしれませんが、肉眼で観察時もあきらかに違和感がありました。 北アはしんどいですけど、登っただけの甲斐がありました。
banyanさん、ありがとうございます。
この週末だと、私が行った2001年の7月末と同じで少し擦れた個体が多いかもしれません。 ただ、基本的にはだらだら発生するのでまだ綺麗な個体もいると思います。 ![]()
貴殿らしい山の稜線が写った写真ですね。スイス行を思い出させます。
前翅端の尖った個体、不思議ですねぇ~ なにっ!タカネヒカゲとな・・・その標高まで行ったんですね。 凄いもの・・・貴殿も引っ張りますねぇ~大期待です! ![]()
kenkenさん、連続コメントありがとうございます。
私、「何とかと煙は高いところが・・・」の何とかですから、山の稜線が好きみたいです。 ここは、タカネヒカゲとミヤモンが全く同じところにいますから、本当に同時に撮影できます。すごいもの・・・・、たぶん期待を裏切らないと思いますが、引っ張りすぎて大丈夫か(笑)
アルプスモンキは出会うための苦労がアサマモンキとは段違いですし、背景の山脈も違いますから本家のイメージがあります。どれも奇麗に撮られていて溜め息がでます。この上、更にタカネヒカゲですか。どんな絵なのか楽しみです。
![]()
clossianaさん、コメントありがとうございます。
前に登ったときはイマイチの画像しか撮れなかったので、今回は色々撮影できて「本家」のよさを堪能できました。 この週末は、ミヤマシロ調査のお手伝いに出かけるので、タカネヒカゲの更新はもう少し先になると思いますが、お待ちください。 期待を裏切らないものを出せるでしょうか(笑)
1枚目のミヤマモンキは良いですねー。素晴らしいです。
ミヤマモンキは♀の方がきれいに思えます。特に前翅の白が輝くように表現できると最高ですね。これなんかかなりそれに近いです。 それに飛翔も良いですね。欲を言うと縦位置で背景にアルプスが入っているとさらに素晴らしいですが、これは無い物ねだりでしょうかね。 ![]()
すばらしい絵です!
ミヤマモンキはそう苦労せず撮れるポイントもありそうですが、タカネヒカゲは4時間の登山ですか。 私はこの蝶がもっとも大変な種と思っています。 次回が大変楽しみです。 ![]()
アルプス・モンキ良いですね。アサマ・モンキより生息する舞台が高いようなので、背景などが高山蝶の風格を感じさせますね。素晴らしい。早くご対面したいな。
![]()
ダンダラさん、ありがとうございます。
1枚目はマクロの表現としては自分でも良い感じだと思っていたのでうれしいです。 飛翔で縦位置とは、思いつきもしませんでしたが、山登って、そこまでは、・・・・・無理です(笑) ![]()
maedaさん、ありがとうございます。
タカネヒカゲの撮影ポイントとしては、ここはまだ楽な方ではないでしょうか。地味な蝶ですが、ちゃんと登山しないと会えないところが「ハイマツ仙人」らしくて良いのではないでしょうか。 でも毎年見に行く気力は無いですね(爆) ![]()
霧島緑さん、ありがとうございます。
アルプス・モンキは、前から高山を背景に入れて撮りたいと思っていました。今回は槍をバックに出来なかったのですが、いつか撮ってみたいものです。 今週、いよいよですね。好成果を祈っています。
はじめまして。
TOMBOと申します。 最近、昆虫を撮る機会が多くなって、徐々に面白くなり始めています。 飛翔の瞬間や、広角での近接撮影は挑戦してみたい気がしました。 また、覗きにきます。 リンクさせて頂きました。今後ともよろしくお願い致します。 ![]()
TOMBOさん、はじめまして。
ブログ拝見しました。原生林の写真がとても素敵でした。こちらからもリンクさせていただきました。よろしくお願いいたします。 飛翔や広角は、私もブログ仲間の画像に刺激され撮り始めました。歩留まりはあまり良くないですが、その分上手くいくとうれしいものです。 是非、様々な昆虫で試してみてください。拝見するのを楽しみにしています。 |
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