2008年 07月 27日
今回、久しぶりに北アルプスの稜線まで登ったのは、この蝶タカネヒカゲに会うことが最大の目的だった。ミヤマモンキチョウは、もっと楽な場所も多いのだけれど、タカネヒカゲだけは、ちゃんと山登りしないといけない。 だから、ミヤマモンキをちょっと撮影した後は、タカネヒカゲを中心に狙う予定だった。前に来たときは敏感で中々近寄らせてくれなかったので最初は300mmで撮影したが、今日は曇がかかることが多いせいか、90mm Macroでも十分近付かせてくれた。 ![]() タカネヒカゲ 静止 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro ![]() タカネヒカゲ 静止 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro かなり新鮮な個体もいたのだが、草が邪魔になる場所に止まることが多く、また元々が地味な蝶なのでどうしても同じような画像ばかりになってしまう。 そこで、ついつい派手なミヤマモンキに目が行ってしまう。ちょうど産卵を繰り返していたミヤマモンキのメスがいたので追いかけていると、登山道脇でよたよた歩いているタカネヒカゲが目に入った。よく見ると歩きながら翅がパカパカ開いている。これは一瞬でも翅の表が撮れるかもしれないとシャッターを押していると、ついに「キタ~」。 ![]() タカネヒカゲ 開翅 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro 一瞬だけれどかなり開いているところが撮影できた。その後、この個体は枯れ枝につかまってしばらく動かなくなった。ちょっと待っていると、今度はV字開翅。 ![]() タカネヒカゲ 半開翅 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro タカネヒカゲで翅の表と裏を同時に表現できると思っていなかったのでとてもうれしい。しかも、この個体、うれしいことにその後も何回か翅を開いてくれた。 ![]() タカネヒカゲ 開翅 CANON EOS 40D TAMRON 90mm Macro どうもこの個体は、タカネヒカゲにしては珍しくちょっとしまりが無いタイプらしく、横倒しになるときにもちょっとだけ翅を開いていることが多い。 ![]() タカネヒカゲ 静止 RICHO Calio GX8 ![]() タカネヒカゲ 静止 RICHO Calio GX8 実はここは、幅が広くなった登山道のど真ん中にちょっとだけあるブッシュ。多くの登山者がすぐ脇を通り抜けていく。そこで「キタ~」とか「開け~」とか叫んでいる(もちろん、心の中で、決して声に出してはいないはず・・・だが)のだから、さぞ変なおじさんだったことだろう。 ということで、前回予告した「ちょっとすごいもの」は、タカネヒカゲの開翅三昧でした。 <続く> (※)この週末は、ミヤマシロチョウのマーキング調査のお手伝いをしてきました。写真の整理がまだ出来ていませんが、出来次第そのときの状況をレポートする予定です。 ■
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by toshi-sanT
| 2008-07-27 23:17
| 蝶
|
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Comments(32)
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やっとモニターで拝見しましたがやはりすごいですね。これA3にしたら凄い迫力ですね。おそれいりました。
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kmkurobeさん、早速のコメントありがとうございます。
呑みながらお見せした時は、フォトビューワーの画面だったですね。自宅のプリンターではB4までしか印刷できませんが、ショップでA3にしてもらおうかな(^^; 苦労して登った甲斐がありました、ほんと。 ![]()
最難関の高山蝶ですね。裏面が渋い!
この種と日高のダイタカが最後に撮り残すだろうと思っています。 個体により開翅してくれるようです。モンゴルのタカネヒカゲも個体により同じ感じでした。
この蝶、撮影に行くのが大変ですが、開翅まで撮影されて、すごいですね。開翅写真は初めて見ました。環境を入れた広角写真もいい雰囲気です。
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先日はお世話様でした。調査お疲れ様でした。
それにしてもタカネヒカゲ、よいですなあ!! こんなに間近で撮れて! 昨年、空振りだったし、今年も行きそびれてしまいました。 来年こそ頑張るぞー!(?) ↓のミヤモン、槍ヶ岳背景は惜しかったですね・・でも十分な成果かと。
theclaさん!これは凄い写真ですね・・・開翅写真ははじめて拝見しました、もの凄い!しかもピントもシャープだし、素晴らしい成果でしたね、おめでとうございます。
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タカネヒカゲですか~、すごいですね~。うらやましいな~。
私の場合は、永遠に憧れで終わりそうです。 ![]()
やりましたね~~!!おめでとうございます。ハイマツ仙人のお出ましとは!(^^)。。
小生には、とうてい撮りにいけない蝶ですね~。。素晴らしい! ナイスです。 ![]()
maedaさん、コメントありがとうございます。
タカネヒカゲだけは自分の足でかなり頑張って登らないといけない本当の高山蝶という感じがしますね。 日高もそうとう歩かないといけないのではないでしょうか。 なるほど、モンゴルでも個体により脇が甘いのがいるのですね(笑) ![]()
cactussさん、コメントありがとうございます。
大変でしたが、開翅が撮れた時には疲れも吹っ飛びました。もちろん、私も開翅を見たのは初めてでした。 ![]()
たにつちさん、ありがとうございます。
そういえば、フィールドでお会いするの初めてたっだんですよね。 前に行った時は敏感で納得できる絵を撮らせてもらえなかったので、今回はそのリベンジになりました。 ↓槍は残念だったのですが、それ以外は良い絵が撮れたので良しとしていますし、次回こそ槍をなんて思っています。馬鹿ですね~(笑) ![]()
chochoensisさん、ありがとうございます。
今年はタカネヒカゲに会いに出かけると決めていたので、無事出会えた上、開翅まで撮れて言うことありません。 ![]()
mtana2さん、ありがとうございます。
タカネヒカゲ、もっと楽に撮影できるところがあれば、私もそっちが良いのですが、そんなところ無いですよね(笑) ![]()
ヘムレンさん、ありがとうございます。
前回ここへ来た時は、テント持参でヘロヘロになってしまいました。そのときに比べれば荷物が軽いので楽だと思っていましたが、最後はやっぱりヘロヘロになってしまいました(笑) ハイマツ仙人は甘くは無かったですよ。
タカネヒカゲは仙人の風情があって、雰囲気が出ていますね。リアル高山蝶に会うにはそれだけの労力が必要です。ご苦労様でした。
しかし、日帰りは凄いですね。その体力に敬意を表します。
タカネヒカゲの撮影おめでとうございます。
ほんとにこの蝶、簡単には撮影させてくれませんね。 私も体力が持つうちに槍・穂高を背景にして影したいと思っているのですが、どうなりますか。 それにしても開翔シーンとは恐れ入りました。 ![]()
虫林さん、ありがとうございました。
タカネヒカゲは会いに行くのが大変ですが、ハイマツ帯にしかいないので本当の高山蝶という感じがして、やっぱりいいですね。 日帰り・・・・・、つい若いつもりになったのと混んだ山小屋に泊まるのが嫌ので、やってしまいましたが、もう2度としません。何せ、一週間筋肉痛になりましたから(笑) ![]()
ダンダラさん、ありがとうございます。
そうなんです、数はいるのですが、良い位置で撮影させてくれず思ったほど良い絵が撮れませんね。 ただ、望外の開翅が撮影できたので、もういいやと無茶な日帰りをやってしまいました(笑) 槍・穂を背景にするなら、隣の山の方が良いでしょうかね。いづれにせよ、またチャレンジしないといけなくなりました。 ![]()
タカネヒカゲの翅表は標本でしか見たこと無いですね、生態写真での撮影おめでとうございます。
それにしても日帰りとは・・・すごいですねぇ~! ![]()
愛野緑さん、ありがとうございます。
この個体は随分と開翅してくれたのでラッキーでした。他の開翅シーンはオフシーズンに使いますかね。 上高地にもまわりたかったので、日帰りしてしまいましたが、やるものではないですね。上で一泊すべきでした。 ![]()
タカネヒカゲの開翅シーンが並んで見事です。
まだ綺麗な個体で見ごたえありますね。一週遅れた分、翅が透けて向こうが見えるような個体ばかりが目立ちました。 日帰りで行かれてたのには驚きました。こちらは登りだけでもヘトヘトになってしまいました。見事な体力です。 ![]()
霧島緑さん、ありがとうございます。
今年の発生状況は、昔私が行ったときとほとんど同じ感じでした。そのときは翅が透けるような個体ばかりの上に中々接近させてくれない状況でした。 日帰りといっても下まで降りただけでさすがに運転して家に帰る体力はありませんでした。もちろん、懲りているので2度とやらないと思いますが・・・・(^^;
タカネヒカゲの開翅シーンは皆さん同様初めて見ました。開くこともあるのですね。私も一度は撮ってみたいのですが、すでに登れるかどうか怪しくなっていますので、どうなることやら。
うーん素晴らしいですね。
こちらは大嵐で全くチャンスありませんでした。 同じ登りを頑張ったのに神様は不公平です。(爆) せっかくにアドバイスを活かせませんでした。 この場所ではやはり槍を背景の広角を狙いたいですね。
先日はお疲れ様。
コメントをいれたのですが、反映されていませんでした。m(__)m 液晶で見せていただいたタカネヒカゲ、この画面、臨場感すごいです。 リンクさせていただきました。どうぞよろしく。 ![]()
clossianaさん、コメントありがとうございます。
私も最初見たときは、えっ何だ開いてるのかあ~という感じでかなり動揺しました。 何度も開いてくれたから良かったですけど。もちろん他の個体でこんなのは見ていません。 ![]()
banyanさん、ありがとうございます。
そうですか、ちょうと大荒れの日に登られたのですね。山の上の天候は難しいですね。 私も前に隣の山に登ったときは、一日目テント持参でバテバテ、夜は暴風で眠れず、2日目は朝から雨で重くなったテント撤収、下山というのをやってしまったことがあります(爆) 槍背景は次回持ち越しです。霧島緑さんの画像を見る限りでは方向的にはバッチリのはずだったのですが。 ![]()
grassmonblueさん、お疲れ様でした。
タカネヒカゲの開翅はとてもラッキーでした。ミヤマシロ調査の前払いのご褒美でしょうかね。 今回は、別の場所でマークしていたのでほとんど撮影ご一緒できませんでした。またどこかでじっくりご一緒させてください。
タカネヒカゲって開くんや・・・凄いぞ、凄いぞ、凄すぎる。
これは、初めて見ますね。ホンマに開くんや・・・ 岩にとまった独特の翅裏の紋様、最高ですね。 まさに「4時間ほどの登山の代償に天上のカタルシスを得る」ですね。 ![]()
kenkenさん、ありがとうございます。
開くんですよ、勿論私も初めて見ましたけど。 他の個体は一切開く気配が無いのに、この個体だけ、やけに開いてくれて、指の汗まで吸ってましたがな・・・。ちょっと弱ってたのでしょうかね。 天上のカタルシス、まさにそうでした。登りはしんどいですが、来年も別の山で上まで上がってみたくなっております。
超亀レスな上にすごいコメント数にひるんでしまいますが、こちらに書かせてもらいます。
この蝶の開翅は初めて見たような気がします。おめでとうございます。 本当の意味での高山というものに登った事の無い私には最難関種です。在来種の中では最後に挑戦する事になると思います。 ![]()
furuさん、ありがとうございます。
滅多に開くことは無いと思っていたので、ここまで開いてくれたのはうれしい誤算でした。間違いなくここ数年の開翅では私的ベスト1にランクされることでしょう(笑) 最初上高地にまわっていたら撮れなかったと思うので計画変更が大成功でした。ここ一般登山者が多いのが難ですが、比較的登りやすい方だと思いますよ。 |
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